前浜海岸ジオサイトごこくほうじょう湧水の歴史135 新倉清水は,昭和 36(1961)年頃に簡易水道水源として整備されましたが、当初は固有の名称ではなく新倉水道や単に水道と呼ばれており、今回の調査にあたり、集落の方から新たに命名されました。 新倉集落に井戸はありましたが、水には苦労しており、新倉清水を整備する以前は農業用水路の水を引き込み、タンク内のろ過装置を通したあと、飲用水や雑用水として利用していました。しかし、農業用水は降雨などにより濁るため、新たな水源として探し出されたのが、現在の新倉清水です。湧泉は集落から少し離れた三光塚山麓の中腹あたりにあり、湧泉の近くにはろ過装置が設置され、集落内の二つの貯水槽に一旦貯められ、各戸に配水されています。当初は貯水槽の脇から放流していましたが、昭和 52(1977)年頃に道路整備を行った際に、現在の新倉清水の形に整備されました。 平成に入ると上水道が整備されましたが、現在でも各戸には二つの蛇口があり、新倉清水用と上水道用が併設されています。 羽茂本郷では、毎年 6月15日に「羽茂まつり」が開催され、「つぶろさし」が町内いたる所で舞い踊ります。つぶろさしは、子孫繁栄と五穀豊穣を祈る神楽で、新潟県の無形民俗文化財に指定されています。だいれんじ また、同集落内にある「大蓮寺」は、末寺 10 ヶ寺を有する曹洞宗寺院です。山門は上杉景勝によって落城した羽茂城の東門をそのまま移築したものです。 新倉清水管理組合により、年 1 回草刈りが行われています。また、2 年に 1 回程度の割合でろ過装置の交換を行っているほか、毎年持ち回りの当番により、維持・清掃管理や大雨や異常があった場合など水源付近の見回りを行っています。 なし 図 26-7 つぶろさし図 26-8 大蓮寺山門㉖ 新倉清水周辺情報保全活動文 献
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