佐渡の湧き水 貴重な自然をたずねる
149/234

前浜海岸ジオサイトぜんちょうじきょうごくためかね湧水の歴史 143 鰐清水には、次のような言い伝えがあります。 「昔、ある人が山にわけ入り、水をのんだところ、あまりのうまさに水口を見ようとたどって行くと、土穴の中から大きな鰐が首だけ出して、口から水をコンコンと吐いていた。後に村人たちが大勢で石を投げたり棒でつついたところ、鰐はいやがってだんだん穴の奥に入ってしまった。このため水源吐口は今も鰐の形をしているということである。」(「新潟県の名水」新潟県環境保健部,1985) 30 年程前は、現在、最も多く湧出している湧出口に向かって右手の場所から湧出していたとされています。また、近くの 2 ~ 3 箇所からも湧出し、合流しています。 現在は主に農業用水として水田を潤しており、一部は腰細川に流入しています。また、酒造会社が原料用水として使っているそうです。 赤泊港周辺には、「禅長寺」があります。この寺は、応仁の乱で大納言の京極為兼が佐渡に流された時、往復の旅宿であったといわれています。為兼がこの寺での祈願で帰京できたところから、帰郷観音の名で信仰される仏像などが安置されています。 4月と8月に水利組合で落ちている木片等の片付けをしているそうです。 日本地下水学会編(2009) 新・名水を科学する pp.80-85 新潟県・佐渡島の名水 新潟県県民生活・環境部(2011) 新潟県の名水   新潟県環境保健部(1985) 新潟県の名水 p.43 鰐清水 図 28-7 禅長寺㉘ 鰐清水周辺情報保全活動文 献

元のページ  ../index.html#149

このブックを見る