しみずいずみみず佐渡の湧水特性1681 湧水とは2 湧水特性表 1 に示すとおりです。 湧水とは、環境省が公表している「湧水保全・復活ガイドライン」によると「地下水が自然状態で地表面に流出したもの、もしくは地表水に流入するもの」と定義されています。また、人工的に掘削(ボーリング)等を行った場合でも、自噴もしくは掘削面から自然に湧出したものは広義の湧水に含まれています。 湧水は地域によって清水や泉、単に水とも言われることもあり、佐渡島では比較的、清水という言葉が多く用いられています。 湧水の特性は、水質基準項目検査の結果(p.202 参照)や、現場測定で得られる水温や pH(水素イオン濃度)、EC(電気伝導率)などの結果(p.214 参照)から知ることができます。また、湧水に溶存している主要イオンを測定し、そのイオンバランスから水質の特性を表現する方法もあります。 ここでは、イオンバランスに着目し、トリリニアダイアグラムとヘキサダイアグラムを用いて、33 湧水の特性について説明します。実際に測定したイオンの成分は 湧水に溶存しているイオンは、雨水や海水、植物や地質由来によるもの、排水や排気ガスに起因するものなど、その起源は多岐にわたっています。そのため、地域全体で似たような特性を示す湧水もあれば、逆に近接した湧水であっても、起源が異なることで違いが見られる場合もあります。なお、中島著「土木技術者の陸水環境調査法」によると各イオンの起源は次のように考えられています。表 1 イオンの成分 佐渡の湧水特性
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