172 ヘキサダイアグラム(図 2)の図形パターンを大まかに分類すると、盃形、そろばん(玉)形、逆くの字形、逆くの字形(溶存量大)、くの字形、箱形の 6 つに分類することができます。表 4 に分類結果を示します。 盃形は、大佐渡山地の海岸付近で見られる傾向があり、送風塩の影響により Na やCl が多く溶存しているのが特徴です。もっとも顕著に表れているのが㉑の湧水です。 「新・名水を科学する」によると、一般的な湧水・地下水(環境省「平成の名水百選」)のデータを用いて図化すると、表 4 の下のような形状となります。そろばん(玉)形は、一般的な湧水及び地下水のパターンと類似しており、主に国中平野と小佐渡丘陵の北側に位置する湧水がこれに該当します。 逆くの字形は、国中平野と小佐渡丘陵の全域に見られ、他の湧水と比べ比較的、イオンの溶存量が少なく、陽イオンの Ca や Mg が少ないのが特徴です。また、小木半島に位置する㉓、㉔、㉕の湧水は、逆くの字形を示しますが、溶存量が多いため違う図形パターンとして分類されます。 くの字形、箱形はそれぞれ 1 湧水であり、33 湧水の中では少ない図形パターンとなります。表 4 ヘキサダイアグラムの分類結果 佐渡の湧水特性
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