174 佐渡の植生 * 佐渡には、海岸から海抜 1,000mを越える山地までの多様な環境に、日本海要素、北方系・南方系、高山性・亜高山性などの様々な性質の植物が生育しています。植物相は約 1,700 種といわれ、県内で佐渡だけに分布する植物も知られています。また、絶滅危惧種も多く、貴重な植物の生育環境が保たれていることも特徴です。■ 植物相○ 日本海要素の植物○ 北方系・南方系の植物○ 高山性・亜高山性の植物 佐渡では日本海側に分布の偏る日本海要素の植物が見られます。日本海要素の代表であるユキツバキとともに、コシノカンアオイ、エチゴトラノオ、シラネアオイなどの植物が分布します。 佐渡には、スダジイ、アカガシ、ソヨゴなどの南方系の常緑植物が多く分布しており、これらは日本海側の分布の北限または北限近くになっていることが知られています。また、エゾノコギリソウなどは北方系植物の南限として知られ、北方系と南方系の植物が同じ地域で見られることが特徴です。 佐渡は最高海抜が 1,172m(金北山)と比較的低いにもかかわらず、ブナ、ハクサンシャクナゲ、ズダヤクシュなどの高山性・亜高山性の植物が分布します。図 2 シラネアオイ(参考文献トレッキングマップより引用)図 3 エゾノコギリソウ図 1 エチゴトラノオ佐渡の植生*)上迫正人 (現)新潟県長岡地域振興局 (前)株式会社 NSS
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