佐渡の湧き水 貴重な自然をたずねる
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183 ム - 炭酸塩泉で、ら れ ま す。ま た、泉 も こ の タ イ プ② 佐渡の特徴的な温泉 しかし、中にはⅡのグループである深層地下水の温泉もいくつか分布しています。このタイプは陰イオンが炭酸イオンを主体とするナトリウ相川温泉や平根崎温泉など溶存成分の少ない温泉に見モール泉と呼ばれるコーヒー色の温で、佐和田温泉と仙道温泉がそれに当たります。 トリリニアダイアグラムでは溶存成分の量が解りませんので、各成分の量を六角形に表すヘキサダイアグラムを作成し、図 5 に示しました。この図は、凡例に示すように左側に陽イオン、右側に陰イオンの溶存量をミリグラム当量(meq)という単位で表し、それぞれを線で結んだ六角形をしています。したがって、その形が水質組成を、また大きさが成分の量を表しています。 ヘキサダイアグラムからわかるように、佐渡の温泉の多くはナトリウムイオンと塩素イオンを主体とする「ナトリウム - 塩化物泉」であることがわかります。なお、金井温泉や真野温泉・潟上温泉などは温泉掘削深度が深いので、多くの溶存成分を含み形が大きくなっています。逆に形の小さいものは、溶存成分の少ない浅い深度の温泉です。 一般的な温泉の特徴は、大きく分けて 9 つありますが、そのうち佐渡では 4 つの泉質があります。それらは、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、単純温泉の 4 つです。ヘキサダイアグラムからもわかるように、佐渡を代表する泉質はナトリウム - 塩化物泉で、この温泉は塩の成分が肌を殺菌し、切り傷や火傷に効能があるとされてい図 5 佐渡の温泉のヘキサダイアグラム(同前)佐渡の温泉

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