佐渡の湧き水 貴重な自然をたずねる
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海府南部ジオサイトだいばくふ湧水の歴史35 弥奈清水は、別名として「弘法大師の清水」とも呼ばれており、次のことが伝えられています。 『外海府の奥に五十浦という村がある。そこに昔から弘法の清水と言われる湧水がある。ある年のこと、ぼろを着た旅の僧が村により、一軒一軒水を乞うた。しかし、水ききんの年で村の井戸は枯れ、人に与える水など無かった。僧は村のはずれの、とある家によって又水を乞うた。家のあるじはなけなしの水を与えた。たち去るとき僧は大地を杖で突いた。明くる朝、その場所から水が湧き出た。人々は誰云うとなく、あのぼろを着た旅の僧は弘法大師だったのではないかと云いあった。』(JA 佐渡相川「有線放送電話番号簿」) 地元では、いつ頃からかこの清水を弥奈清水と呼ぶようになり、湧泉の側には、弥奈清水の名称が刻まれた石碑が建っています。 五十浦集落で、年に 1、2 回、弥奈清水の石枠内の清掃を行っています。 JA 佐渡相川(1994) 有線放送電話番号簿(表紙) 大野亀から佐渡一周線を弥奈清水へ向かう途中に断崖絶壁にかかる海府大橋があります。この橋の下を流れるオオザレ川は、橋の下から100m 下の海岸へ落ち込む大瀑布「大ザレの滝」となります。民宿などに舟を出してもらって海上から見るしかありませんが、その景観は見る者を圧倒します。 図 4-7 大ザレの滝④ 弥奈清水周辺情報保全活動文 献

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