佐渡の湧き水 貴重な自然をたずねる
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海府南部ジオサイトだんとくさんごこれい湧水の歴史47 石名集落は、佐渡相川郷土史事典(相川町史編纂委員会編,2002) によると、次のように記されています。 『石名川の上流にある壇特山は、清水寺の奥の院で、古謡に「お山(金北山)・壇特山・米山薬師(金剛山)、三山かけます佐渡三宮」と歌われた大佐渡三霊山であり、修験たちの霊場であった。清水寺の脇には壇特山に源をもつ清水が湧き、道行く人ののどをうるおしている。』 また、流出点脇には、由来を記した看板が建てられており、次のように記されています。 『当山は大同元年開山。奥の院は佐渡ヶ島の霊山三山の内、第一の山「壇特山」(海抜九〇七米)に弘法大師唐より仏教道場の場を示せの願いにより飛来五鈷鈴(当山宝物護持)この山上に至った。帰唐してよりこの地をおとずれたが、八葉の峰で無く七葉の峰にて北インドのダンタラ国の山に似ている所より壇特山と名づく。以後百年位のち一人の修行僧来たり、雪深い冬季の庵を結ぶにあたり、下山した時壇特山に湧きいずる霊水でバンウンの梵字の浮く水がこの地に流れている事から、この地こそ庵を結ぶ地と定め、清い水いずる所より、清水寺と名づけたもので、この水は智恵の水・長寿の水とされ、梵字浮きたる時は全ての願い叶うと言い伝えられている。』 石名清水寺の関係者の方が、定期的に清掃を行っています。 相川町史編纂委員会(2002) 佐渡相川郷土史事典 pp.73-74 清水寺看板 清水のいわれ  石名清水寺本堂前の左右にあるイチョウの大木は、本堂に向かって右側が雄株、左側が雌株です。このイチョウは佐渡市の天然記念物に指定されており、昔から霊木として信仰されてきました。中央から直立する3 本の大支幹は阿弥陀三尊(阿弥陀・観音・勢至)の化身といわれています。図 7-8 清水寺の大イチョウ図 7-7 梵字板(石名清水寺)⑦ 清水寺清水(梵字水)周辺情報保全活動文 献

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