相川・金銀山ジオサイト はしょくおうけつぐんかもんしずめいちざえもん こなし頃から、戸地川の水量が注目され、相川鉱山で採掘した鉱石を水力利用した石臼で粉成湧水の歴史57 大清水湧水は、寛永 4(1627)年 7月14日に、時の佐渡奉行、鎮目市左衛門が供を引き連れ戸地川の視察に訪れた際に、戸地川の奥地に入り発見し、「大清水」と名付けたと言われています。新潟県の名水に選定されており、次のように紹介されています。 『戸地集落から、戸地川沿いに緑豊かな林道を 2.4 キロほど登った地点にあり、鳥のさえずりやセミの声等が聞こえるほか、四季折々の風景が楽しめる場所である。元和 4(1618)年に佐渡奉行が発見した歴史的価値と、天候に左右されない豊富な水量を有している。また水質も良好なことから、周辺集落の簡易水道水源等に使用されるなど、周辺住民にとって欠くことのできないものとなっている。』(「わきでる想い 新潟県の名水」新潟県県民生活・環境部,2013) 戸地集落は、戸地川をはじめ、水の豊富な場所であったことから、慶長年代(1596 年~)し、金銀を採取していたとの記録があります。享保元(1717)年の大洪水で、炭町や鉱石を粉成していた車町が流されたため、以来、相川からの鉱石の運搬は、完全に行われなくなりました。明治に入ってからは、水力発電に戸地川が利用されるようになりましたが、現在は行われておらず、第二発電所の建物が当時のまま残っています。 大清水湧水の周辺に位置する平根崎には波蝕甌穴群があります。海岸の巨大な岩盤に、海水の渦紋浸食によってできた大小無数の穴が波蝕甌穴群です。数の多さでは世界有数で、国の天然記念物に指定されています。 戸地・戸中水道組合が月に 2 回、保全管理を行っています。 新潟県県民生活・環境部(2013.3 改訂) わきでる想い 新潟県の名水図 9-7 平根崎の波蝕甌穴群⑨ 大清水湧水周辺情報 保全活動文 献
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