佐渡の湧き水 貴重な自然をたずねる
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沢根中山峠ジオサイト ほじょうしょうずの湧水の歴史71  大清水がある真光寺集落には、屋号が「清水野」という家があり、その地名も同じく「清水野」と言われているとのことです。この湧水は、オショウズまたは、オオショウズと呼ばれていますが、これらの地名などからも類推できるとおり、この地は、比較的水が豊富な地域で、多くの井戸が点在しているところです。また、集落内の家には、年代を思わせる十一面観音(稲の穂をもってきたとされ、水の湧くところに祀られるという)が伝わっており、この集落の歴史を感じさせます。 昭和 56(1981)年の圃場整備以前は、現在と異なった場所(現在の湧出地点から東側)から湧出しており、当時は、12 畳程の広さの池の底から湧出し、下流側一帯の農業用水として用いられていたと聞きます。その後、田んぼの区画整備が行われた際に、現在の位置の用水路上に直径約 100mm の塩ビパイプで導水され、農業用水として水田を潤しています。また、農作業の合間にのどを潤す方や、湧水を汲みに来る人がいると聞いています。 真光寺集落には、「真光寺のブナ」、「真光寺村慶長検地帳」、「木食行道作子育て地蔵」、「金北山・成就院・真光寺跡」といった佐渡市指定の文化財があります。 真光寺のブナは、樹高 20m、幹囲 5.4m、樹冠幅 18.5m に達し、とくに幹囲は、日本第 6 位の大きさを誇ります。 水利権所有者の方が、管理、清掃を行っています。 なし図 12-7 真光寺のブナの木⑫ 大清水周辺情報 保全活動文 献

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