佐渡の湧き水 貴重な自然をたずねる
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国中平野・加茂湖ジオサイトきんたおどりひがしこわしみずはながさおどりおんたおどりほうもんたもとことほ湧水の歴史 85 榧の木清水は、久知八幡宮の御神木である「榧の木」の袂から湧出していることから、そのように呼ばれており、境内には、神社の由来を示す看板が建てられています。 『応和元(961)年山城国(京都府)男山の石清水八幡宮より分霊、久知郷国見峠に鎮座。往古より久知郷の総鎮守として崇敬をあつめてきたといわれ、のち宝徳 2(1450)年下久知荒城の地に奉還されたものと伝えられる。』いわしみずはちまん 集落には、八幡様は水を追いかけて歩くとの言い伝えがあり、京都男山の石清水八幡ぐう宮では、水がどんどんと湧き出ているとされ、この清水も「八幡榧の木清水」と呼ばれています。どんな日照り続きでも水が枯れたことがなく、上水道が普及するまで、集落の貴重な生活用水として人々から親まれ、利用されてきました。 また、一説によると、榧の木清水と東強清水(地名)は水脈が繋がっているとされ、榧の木清水が濁るときは、東強清水の水も濁ると言われています。(「㉛三郎右衛門の川」参照) 毎年 9月15日の久知八幡宮の例祭に奉納される「花笠踊」は、神霊を慰め、五穀豊穣を祈願する芸能で、県の無形民俗文化財に指定されています。 踊りは、水口を祀り、田植を祝う「御田踊」、豊作を願う「神事踊」、収穫を寿ぐ「千代踊」と「金田踊」の 4 つからなり、踊り手は少年少女たちに限られています。 この踊りには、小獅子舞・鬼太鼓・獅子法問などがつき、佐渡の花笠踊の中でも、とりわけ大がかりで華やかです。 久知八幡宮氏子会及び地元の方が定期的に清掃を行っているほか、毎年 9月15日の例祭前に総代により境内の清掃が行われています。 榧の木清水の石枠内には、日光により藻が発生するため、平成 14(2002)年から遮光ネットを張っていましたが、平成 25(2013)年に遮光ネットの替わりに、湧泉を囲むように小屋が建てられました。 久知八幡宮看板 久知八幡宮由緒 八幡宮由緒書  熊谷芳太郎 「久知の八幡榧の木清水について(口述)」図 15-7 花笠踊⑮ 榧の木清水 周辺情報保全活動文 献

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